蒼き華に龍の口付けを
「……えと」

「動けるのなら降ろす」

「あ、有難う」

「……ん」

私がお礼を言うと満足そうな表情に変わったがそれは一瞬だけですぐに何事も無かったかの様な素振りで無表情になり、歩を進め始めた。

静かだ。家付近にはメジロや雀の鳴き声が聞こえていたけどここは全く聞こえない。

ラウリの体温を感じる。とても温かい。これは羽織の保温性が良いのか、ただ単に寒さに強いのか、眠くなる。

しっかり寝た筈なのに。冬だからかな?
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