蒼き華に龍の口付けを
「……」

「そんな嫌そうな顔するなよ」

ラウリの目の前には四季神が年代物の焼酎を片手に呆れた顔で立っていた。

彼は毎晩、神社をこっそり抜け出しラウリの元に来て酒を交わす。
部下の白音、黒露、妻の七無さえも。迷い家はそれを知っている為、漬物を埃避けの為に和紙を乗せてちゃぶ台の上に置いてある。

「嫌そうな顔では無い。嫌な顔をしているだけだ」

「余計に酷い!」

ラウリは四季神の嘆きを無視してズカズカと家に戻る。四季神も閉め出されない様に急いで入った。
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