蒼き華に龍の口付けを
四季神は帰り道、闇の中を歩いていた。妖は夜に活発と言う訳では無い。光の中で起き、闇のなかで眠る。

「本当、アイツは蒼華ちゃんに対する執着が酷いな。どうして、やった? まずはそこから、だな」

独り言を零す。慎重に行かなくてはならない。バレたら『精神的に死んでしまう』それは避けなくては。

ラウリには『病み』が似合う。それは今に始まった事ではない。

「あ”ー……こっちが面倒臭ぇよ」

何も知らない満月を見上げ、ボヤいた。
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