蒼き華に龍の口付けを
『おう。四季神だ。お前らに頼み事があるのだが、すぐに御白音神社に来いよ』

くねくねした文字で私には分からなかったけどそんな感じの内容だと言う。

今日の行商は早朝に終わった。まったり力の練習が出来ると思ったけどそうはいかない。何せ、御白音神社の者達は得意先だから。

それに、白音達と話せるならそれはそれで悪くは無いし。

ラウリは明らかに嫌な顔しているけど……どう考えても今日一日の計画を崩されたからに違いない。

「ラウリ……そんな嫌な顔しているんだったら、私一人で行くよ?」

「お前で対応しきれるのか?」

いや、無理に決まっている。これは行くのか、行きたくないのかどっちだろう。

「冗談だ。お前が行くなら俺も行こう」

迷い家を呼び、商売道具である風呂敷を貰う。

「行くぞ。龍を出せ」

「はいはい」

内心苦笑いをしつつ、私は龍を召喚する。始めはかなり大きいが少し集中すれば、二人乗りの大きさになった。
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