蒼き華に龍の口付けを
「これは……ふむ、この品とこれと後は……を頂けますかな?」

先程の笑顔から一変して真面目な顔になった。切り替えが早い。

「そうなるのなら、俺は……」

大人達の取引が始まった。私は蚊藪の外。
……少し、外の空気を吸いに行こうかな。

「ラウリ、庭園に行って来る」

私にチラリと視線を合わせた。

「ここらへんは人をさらう奴らが居る。もし、そいつらに捕まったら叫べ。良いな?」

「うん、大丈夫だよ」

私、小学生じゃないし。でも、人をさらう奴ね……覚えておこう。
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