おためしシンデレラ
「ちゃんと言えば真歩かて納得したやろ」
真歩。
「マメ?」
腰を屈めて三村が莉子と目線を合わせた。
「ま・・・・・また今度、連れて行ってください」
三村が目を細める。
「今度はマメの食いたいものな」
そう言って差し出された白い箱。莉子が受け取りそっと開けると中にはオレンジのムースが2つ。
「見舞いだ」
莉子の頭をグリグリと撫でてドアを開けて外に出た。
「ありがとうございました」
エレベーターに乗る三村を見送りドアを施錠して部屋に戻る。
何でショックを受けてるの・・・・・?
『真歩』
名前で呼ぶくらいもう親密。
ホロホロと涙が落ちる。
ダメ。
この気持ちに名前をつけては。
違う。
絶対に違う。
恋じゃない。
恋になんてしてはいけないーーー!