おためしシンデレラ


「ちゃんと言えば真歩かて納得したやろ」



真歩。





「マメ?」

腰を屈めて三村が莉子と目線を合わせた。


「ま・・・・・また今度、連れて行ってください」


三村が目を細める。


「今度はマメの食いたいものな」


そう言って差し出された白い箱。莉子が受け取りそっと開けると中にはオレンジのムースが2つ。


「見舞いだ」


莉子の頭をグリグリと撫でてドアを開けて外に出た。


「ありがとうございました」


エレベーターに乗る三村を見送りドアを施錠して部屋に戻る。



何でショックを受けてるの・・・・・?



『真歩』



名前で呼ぶくらいもう親密。

ホロホロと涙が落ちる。



ダメ。

この気持ちに名前をつけては。

違う。

絶対に違う。




恋じゃない。



恋になんてしてはいけないーーー!
< 120 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop