おためしシンデレラ
三村の周りの空気がどんどん冷えていくのが分かった。それはそうだと莉子も思う。結婚前にスキャンダルなんて誰だって嫌だろう。
「あの、産んだら京都も出ていくし、三村の家の権利も主張しません。二度と社長の前には現れないので・・・・・できればわたしごと忘れて・・・・・貰えたら・・・・・」
「・・・・・・・・・・アホ」
ボソリと三村が呟く。
産むことが気に入らないのだろうか。
「・・・・・・・・・・堕ろす・・・・・のは嫌です・・・・・」
ワンピースをギュッと握り下を向いて声を絞り出した。
「アホかーーーーーっっ!!」
莉子が三村の剣幕に驚いて思わず身体を後ろに引く。
「妊娠はマメだけの責任やないやろ!なんで1人で自己完結してるんや!」
「でもっ・・・・・産むって決めたのは自分やし」
「マメ、だから1人で全部背負いこむのやめろ」
「に・・・・・認知してください・・・・・なんて言えないです・・・・・」