おためしシンデレラ
「可愛らしい方だとお聞きしてましたけど、本当にそのとおりですね」
田中さん(・・・・・今更聞けないのでそういうことにしておこう)が地味な見かけによらず歯の浮きそうなことを言うので思わず赤くなった。
「あ、ありがとうございますーーー」
イケメンではないけれど穏やかな笑みを顔に浮かべる目の前の人は隣に座るオレ様より100倍くらい感じがいい。
これはアタリだったのでは・・・・・?
会話が途切れないように、ゆっくりと趣味や休日の過ごし方を聞いてくれる。
男性に免疫のない莉子にも気負わず話せるように気遣う彼ならお見合いなんかしなくても相手が見つかるのではないだろうか。
どうやら隣にいるオレ様もそう思ったらしい。
「失礼ですけど会社にも女性はいてはるでしょうに、なぜマメ・・・・・豆田と見合いしようと?」
田中さんが目尻を緩めた。
「そうですねーー大学時代も職場にも女性は居ますし、正直に言えば惹かれる方もいたんですけど・・・・・」