おためしシンデレラ
「お前、さっきの男が気に入ったのか?」
「気に入るとか気に入らないとか見極める前に社長が断ったんです」
「大体なんでオレに黙って見合いなんかした?」
「プライベートを報告する義務はないはずですが?」
「報告しろ。退職とかは認めん。結婚したければ仕事をずっと続けられるヤツを探せ」
「はい?わたしの人生ですよ?誰を選ぼうと勝手やないですか」
「黙れ。オレがええと思うヤツ以外は認めへんからな!」
「信じられへん!何様ですか!!」
「オレ様や」
莉子の頭に瞬間的に血が上る。
車が赤信号で止まったのをいいことに、莉子はドアを開けて外に降り立ち力任せにドアを閉めて歩き出した。
翌日
莉子はいつも通りに出勤して毎朝の仕事をこなしていく。
未だ腹の中は煮えくり返っているけれど、仕事だからと自分に言い聞かせる。
おまけに今朝から月イチのモノが始まって鎮痛剤なしではいられないほどの痛みを伴う莉子の気分は落ちていくばかりだ。
大人げない態度だったのはお互い様。