おためしシンデレラ


来客用の黒い革張りのソファーに座り、テーブルに無造作に置かれた書類を片付けるために手に取る。

座り心地が恐ろしく良い大きな3人がけのソファーに深く腰掛け、莉子は天井を仰いだ。

さっき貰った鎮痛剤がじわじわと効いてきて少し楽になる。

少しだけ休憩しようと莉子は目を閉じた。



三村が会議を終え、腕時計を見ると5時少し前だった。会食は7時の約束だったはずだからもう少し仕事をしておくかと社長室の手前の秘書室のドアを開けると、有るべき姿がそこにない。

トイレでも行っているのか・・・・・?


首を傾げながら社長室へ入ると、そこに三村の秘書がいた。


片付けている途中だったのか、膝の上には整えられた書類。ソファーに座ったまま、うたた寝する莉子。


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