おためしシンデレラ


「・・・・・・・・・・そうやないです」

「じゃ急に見合いをしようと思ったのはなんだ?」

「お忘れかもしれませんけどわたし適齢期真っ只中です」

「まだ24,5やなかったか?」

「残念ながら28です。世に言うアラサーってヤツです」

「28だとしても焦るほどではないやろ。オレは今でも1ミリも考えてへんぞ」



・・・・・・・・・・殴りたい。

目の前のこの男。

そもそも選びたい放題のアナタとは違うと声を大にして言いたい。

お世辞にも美人とは言えず、ちんちくりんの体型で、自分から何のアクションもしないで結婚相手はおろか、カレシだって見つかるはずがない。

「この際なので申し上げます。田舎の両親もいつでもお見合いしに帰って来なさいって言いますし、合コンだって行きたいし、定時で上がれるように、有給が自由に取れるように代役ができる人を作ってください」

「・・・・・で代役ができて結婚が決まったら仕事を辞める?」

三村が硬い声で問い掛けた。

莉子はぐっと言葉に詰まるけれどこのチャンスを逃せばこの先言いたいことも言えない。


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