おためしシンデレラ
35という年齢にも関わらずお肌はツルツル、スタイルも抜群。面差しも従姉妹だけあって三村になんとなく似ていて美形だ。
「でもねぇ、結婚に興味のない和生くんが擬似結婚生活を言い出すなんてねぇ」
「わたしには罰ゲーム以外の何物でもないです」
そうーーー・・・・・。
あのオレ様はあの後とんでもないことを言い出した。
『無理かどうか、オレと一ヶ月一緒に住んで擬似結婚生活をしてみたらええ。そしたらオレだってお前の要求するものがわかるし、勤務形態の改善点だってわかるし一石二鳥や』
何を言い出すんだ、あのバカ。
莉子は本気で、社長を殴って懲戒解雇になろうかと思ったくらいだ。
「でもいい提案やと思うなあ。莉子ちゃんが頑張れば女子社員の待遇改善にも繋がるかもよ?ほら、ウチの会社旧態依然としたとこあるやない」
莉子の頭に人柱とか人身御供とかいう言葉が浮かんでは消える。
「僕もいいと思うなあ」
いつの間にか息子とリビングに入ってきてジュースを2人で飲んでいた環さんのご主人様であり莉子の上司である穂村が会話に入ってきた。