おためしシンデレラ


散々かき回して気が済んだのか、三村がタオルを外した。

「ぶっ・・・・・お前、鳥の巣みたいやぞ」

「社長のせいやないですか!」

「悪い悪い」

三村が莉子の頭に指を差し込んで髪の縺れを直してくれながらじっと莉子の瞳を覗きこむ。

あまりにもストレートで至近距離で莉子は逸らすに逸らせない。

「社長・・・・・ひょっとして呪いが発動されたんですか・・・・・?」

「呪い?」

「こないだホテルで勃たなくなってしまえって・・・・・」

「阿呆、あんな呪い効くか。心配せんでも絶倫や」

・・・・・・・・・・そんな威張って言うことか。

「なら良かったです。今夜はお帰りにならないのかと思ってたのに戻られたのでてっきりーーー」

莉子の鼻が長い指につままれた。

「何やったら試すか?」

何を?

ああ、ナニか。

莉子が頭の中で三村の言葉を反芻する。


「見境がなくなるほど飲んだんですか?早く寝たほうがいいですよ」


三村がじっと莉子を見つめた。
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