おためしシンデレラ


「ほれ、莉子。あーん」



あーん!?莉子!?



三村の膝の上で莉子は動揺しながらも必死でこれはどういうことか考える。

「休日はこうやって朝からイチャつくんやないのか?」

ほれほれと言わんばかりにベーグルを口に押し付けられて、耳の先まで真っ赤になりながらも莉子は思わずかぶりついた。咀嚼しながらチラリと三村を見るとなんだか機嫌が良さそうだ。

「なんかアレみたいやな」

アレとはなんだ?

「・・・・・聞くのが怖いですけどアレとは・・・・・?」

「小学校のときなかったか?生き物係とかいって学校で飼ってるウサギだとかカメの世話」

ウサギ!?

カメ!?

「葉っぱを差し出すとウサギなんか嬉しそうに齧り付いてなかなか可愛いかった」

「嬉しそうになんかしてません!」

莉子は膝の上から下りようと身を捩るけれど腰に三村の片手ががっちり回されていて逃れられない。

顔にどんどん血液が集まってくるのが自分でも分かる。

「そうか、お前の弱点はこれやな」

「じゃっ弱点っ!?」
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