おためしシンデレラ
ああ、今日もすごく寝心地がいい。
きっと高いんだろうな。
酔いからうっすらと醒めると同時に、頼りなく莉子の目が開く。部屋は薄暗くまだ夜が開けていないことは分かった。
もう少し寝ていても大丈夫か。
いつも枕元に目覚まし代わりに置いているスマホに手を伸ばす。
あれ・・・・・?
スマホがない。
起き上がって周辺を探そうとするけれど、腰が何かに拘束されていて布団から出られない。
動きにくいのを無理して寝返りをうつ。
叫び声をあげそうになるのを、既のところで口を押さえて堪えた。
目の前には穏やかな顔をして眠る三村。
何で!?何で!?
腰には太くて長い筋肉質な三村の腕。
莉子は軽いパニックに陥り、どうにかして三村を起こさないように逃れようとする。
なんで!
何がどうなってこうなった!?
よくよく暗さに慣れた目で見ると、寝ているのは自分の布団ではなく三村のダブルベッドだ。
まさか酔っ払ってベッドに潜り込んだ!?