おためしシンデレラ
基本、莉子は楽観的だ。
もういいや、1ミリも勃たへんのならこのままで。
まさかの絶倫も隣に寝たくらいでは妊娠しないだろう。
そもそも秘書には手を出さないと公言しているではないか。
ベッドから抜け出すことを諦めた莉子は覚悟を決める。目を瞑っていてもオトコマエな三村の顔をチラリと横目で見ながらおとなしく眠ったのだった。
翌朝、三村の拘束から無理矢理脱出して、いつも通りに起きていつも通りに家事をテキパキと莉子がこなしているとTシャツとハーフパンツにキャップを目深にかぶった三村が寝室から出てきた。
「マメ、よく眠れたか?」
「・・・・・意外とぐっすりでした」
「なんやったらずっと一緒でもええぞ」
「遠慮しときます」
ハッキリと断った莉子に満足そうにして行ってくると三村が朝の日課に出て行く。
・・・・・一体何を試されてんだか。
三村の朝御飯を用意し、自分の身支度を整え洗濯を終えたところで三村が戻ってきた。
「大分暖かくなってきたな」
汗をかいたらしい三村が廊下をTシャツを脱ぎながら歩いてくる。