おためしシンデレラ


あと少しで三村との同居も解消だ。

三村は馬鹿じゃない。

少しは結婚後の共働きが大変だということも理解して貰えただろう。


思っていたよりは楽しかったし。
あの時々される過剰なスキンシップがなければ・・・・・ね。



定時を過ぎ、仕事の終わりが見えてくると莉子は夕食の算段を頭の中でする。

今晩は唐揚げの予定にしていたけれど、仕事が思いの外忙しく、お肉を漬け込んでいる時間はなさそうだ。

親子丼にしようか。
朝食で卵を使い切ってしまったから帰りに買って帰ろう。

ふと気配を感じて頭をあげると三村が開けたドアに身体をもたせかけていた。

「マメ、たまにはなんか食って帰るか?」

「魅力的なお誘いなんですけど今朝冷凍庫から鶏肉を出してしもたんでまた今度に」

「ほうか、ほなオレ先に出るぞ」

「はい、わたしスーパーに寄ってから帰ります。先にお風呂にしといてください」

莉子の顔をじっと見つめた三村がフッと笑みを浮かべる。

「・・・・・?何か?」

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