君のために恋をする
「ねぇ、ライ」

他の人に聞こえないようにライに耳打ちした。

聞かれちゃいけないとかじゃなくて、ここはバスだから、静かにしないとだよね。

ライは予想外だったみたいでビクッと体を震わせる。

ふふ、私はずっと一緒にいたからライの弱い所は知ってるもんね。

「な、なに?」

ライは少し動揺していた。動揺した時首を触る癖が出ていた。

「私がさっき考えてた事だけど…」

そう言うとライはまっすぐ私の目を見てくる。

大したことでは無いけど、ライの透き通った目を見ると、ついドキッとしてしまう。

それにいつもより距離が近い。直視するのが恥ずかしくなる。

だけど、聞きたいから、私は意を決して聞くことにした。

「ライは、なんで男子校に入るの!?」
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