君のために恋をする
「……え?」

ライは首を触る手を止めて、何度も瞬きをしている。

き、聞こえなかったのかな…

私は少し冷たい指先をさすってもう一度、さっきよりも大きな声で、

「な、なんで男子校に入った…んですか?」

緊張とこんなことを聞く恥ずかしさに思わず敬語の私。

ライはというとさっきから同じ表情であんぐりと口を開けていた。

「ちょ…何か言ってよ…」

沈黙に耐えきれず、少し視線を逸らす。

するとそのすぐ後にぶはっとライが笑い始める。

その表情は馬鹿にしたような顔ではなく、ホッとした感じだった。

しかし私には、全く分からない。

すると少し落ち着いたようにはぁっ…と息を吐き、再び私に向き直った。
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