不器用な恋に、口付けを。
「──好きっ…」
やっと出た掠れた声。
しっかりと晃介の目を見て初めて伝えたそれに、…ピクリと反応する彼。
もっと言いたくて。
もっと知ってほしくて。
「晃介が…好き、です」
いつもだったら絶対に言わないような甘い台詞。
煙草だって吸うし、コーヒーなんか可愛げのない無糖を好むし、甘いものは苦手だし、かなりドライな人間だし…こんな女願い下げかもしれない。
だけどね、伝えるって決めたから。
ずっとずっと、この日を待っていたんだから。