不器用な恋に、口付けを。






…そういうものだけじゃなくて、照れくさくて恥ずかしくてずっと言えなかった心の内を、大切な人にしっかりと自分の言葉で伝える日。



フゥ…と一つ、煙を吐き出す。


色味の無い煙が夜の張り詰めた空間に立ち昇っていっては余韻を残して消えてゆく。




サンタさん。

どうかあたしにその小さな勇気を下さい。




静かにそう思っては、大して美味しくもない煙草を再び口に近づけた──。



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