不器用な恋に、口付けを。
「仕事にストイックな麻衣が、何度怒られてもめげない頑張り屋な麻衣が…好き」
「晃介…っ」
「俺はちゃんと見てた。麻衣の魅力、俺は知ってるよ」
「…っ、」
こんなに一気に幸せな気分になった。
さっきまでのどん底な気持ちを晃介に全部持っていかれて、欲しかった言葉すらもプレゼントしてくれる。
「だから…」
そして何処までも甘い。
完全に向こうのペース。
「もう日高さんのとこには行かない…?」
そんな寂しそうな顔、しないでよ。
だけどヤキモチを妬いてくれたってことは不純ながらもめっちゃくちゃ嬉しくて…。
キュン、と胸が鳴る。
「行かないよ」
…行かない。