不器用な恋に、口付けを。




あたしはさらさら気はなかったし、標的になったことは無かったけれど、片っ端から女社員に手を出しては次を探しているらしい。





「…何。市川ちゃん今日一人なの?」





それは企んだような口調。


パーマのかけられた黒髪を耳にかけたスタイルの日高さんは、あたしが泣きそうなのを見透かしているように顔を覗き込んでくる。






< 65 / 119 >

この作品をシェア

pagetop