不器用な恋に、口付けを。





…羨ましい。



それらを眺めながら漠然とそう思っては最近は毎日こうして家路に着くの。




そうして扉を閉めるなりパンプスを乱雑に脱ぎ捨てて、重苦しい鞄を床に放り投げて…ベランダに出るといつものようにケースから出した煙草を一本咥える。



カチャッ…とライターで火をつけるあたしはフゥと一息吐くと、クリスマス一色になる街の夜景を見ながら物思いにふけっていた。



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