不器用な恋に、口付けを。
クリスマスの音楽があたしを嘲笑うかのように悠長に流れる夜。
空から降り注ぐ真っ白の雪。
…ホワイトクリスマスだ!なんて周りの人は浮かれてて、それが嫌に耳についてくる。
「クリスマスの冊子買って…」
「…」
「店なんか何軒も回っちゃったし…!」
「…」
「高級なレストランなんかじゃなくてもいいっ、ただ晃介とっ、一緒にクリスマスを過ごせるんだって柄にもなく浮かれてっ──、」
あたしなりに張り切っていた。