運命のヒト
再会
俺は今日という日の記憶だけは鮮明に覚えていた。


気付いたら俺は、プロポーズした場所へと向かっていた。


その場所のベンチに誰かが座っている。


後ろ姿はどこかユミに似ていて‥‥


「‥‥ユミ!!!!!!あっ、いや。」


思わず声を出してしまった。


「え‥‥?サトル‥‥?」


俺は目を疑った。
これは俺が作り出した幻なんだろうか。


振り返った女性はまぎれもなくユミだった。


「本当に‥‥ユミ‥‥なのか?‥‥えっと、なんでここにいるの?てか、俺のこと分かるの??」


「‥‥サトルこそ、わたしのこと分かるの??」


それからユミとゆっくり落ち着いて話をした。


ユミはあの日、俺とエリが手を繋いでるのを目撃した後、あの占い師に出会っていた。


そして、こんな辛い想いをするならと、俺とは出会わない過去に変えていったようだ。


俺はエリとの関係や、ユミに結婚前提の彼氏ができたこと、占い師に出会ってユミと出会うはずの日に戻ったことを話した。


「ユミ、俺らが出会うのはきっと運命なんだよ。ユミ、もう1度だけ言うよ。俺と結婚してください。」


「‥‥ねぇ。あの占い師のところに行ってみない?」


え?どういうことだ‥。
< 14 / 15 >

この作品をシェア

pagetop