闇の中に咲くランの花 Ⅰ
楓「奏!ちゃんと安全運転してこいよ!」
奏「そんなのわかってるよ!」
えぇー別に飛ばしてもいいのになぁ~。
そんなことを思っている間に、みんなは先にバイクを走らせて行ってしまった
あれれ?みんな先に行っちゃった…置いてくなんて酷くない!?
奏「じゃあ行くけど…大丈夫?落ちないように掴まってて欲しいんだけど」
あ、そっか。バイクだから密着するわけで…しかも私が男嫌いだから気にかけてくれてるんだね?
もうなんか男嫌いっていうか男性恐怖症のほうが近いかな?
麻琴「心配してくれてありがとう。でも、もう蝗龍のみんなのこと信じてるから大丈夫」
まだ少ししかいないんだけど、何故か妙に安心する。だから、大丈夫だと思う。
いきなり抱きつかれたりするのはまだ無理だけど、少しずつ私から歩み寄るのは大丈夫な気がするの。
奏「ありがとう麻琴!」
そう言って笑顔を見せた奏はバイクに飛び乗った。そして私は、奏の腰に腕を回した。
うん、大丈夫だ。逆に安心するし…。
奏「(くぁぁああっ…頑張れ僕の理性っ!耐えろ!僕の本能!)」
私が安心して身を委ねている傍らで奏がそんなことを思っていたなんて知らなかった