闇の中に咲くランの花 Ⅰ


?「チッ…」


あ、舌打ちしたな?いやまぁ、私も心の中でやったけど……


?「ホントだね。あの子がさっき言ってた女の子?」


?「伏せてるからわかんねぇけど多分アイツであってる。」


何の話?ていうか、初対面に“アイツ”呼ばわりされたよ!?何様のつもり!

よし!ココは、寝た振りするのがいい!“寝るが勝ち”って言うし!
↑(そんなこと言いません!)

無視すればきっと諦めてくれるよね。それに、声も聞きたくないからちょっと黙ってて欲しい。私は今草原で寝る予定なの。人はいないはずなの。


?「名前なんていうの??」


麻琴「…………。」


近くまで歩いてきたのだろう、先程より声が近くに聞こえる。


?「もしかしてシカト!?それはヒドイで!?」


麻琴「…………。」


なんで寝てるって思わないわけ?空気読めない系?伏せてるんだよ?寝てるって普通思うよね!?


?「おい、無視してんじゃねぇよ。」


あれ?この声、聞いたことあるような…。

気になってしまい恐る恐る顔を上げた


?「あれ?もしかして寝てた?起こしちゃってごめんね?」


可愛い男の子がそう言ってきた。

わかってて言ってる気がするのは私だけ?『あれ?』じゃないよ。分かってたでしょ!


麻琴「べ、べつにいい…何か用…?」


会話もできる限りしたくないから、早めにお願いしたい。顔も見たくない。声も聞きたくない…。どっかいってぇ…


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