闇の中に咲くランの花 Ⅰ
麻琴「それに私なんか姫にしたら重荷にしかならないよ?」
こんな男嫌い居たら邪魔になるよ。
奏「そんなことないよ!」
麻琴「じゃあなんで私を入れたいの?」
愁「麻琴さん、目をつけられたみたいなんです」
麻琴「目をつけられた?」
もしかして、今日やりすぎた?やりすぎたって言うほどやったつもりはないんだけど…、何せ総長さんをやっちゃったわけだし
楓「死龍の下っ端たちが蝗龍にお姫様ができたって言いふらしたんだ」
それが、私って訳か…。うん、面倒なことしてくれたよね。目立ちたくないのに。
綾斗「お前を危険な目に合わせないためにも保護したい。それと、お前を救いたい」
……保護したいって言うのは分かるよ?けど…
麻琴「救うって…何から?」
綾斗「お前はきっと俺らの知らない何かに囚われてる。お前の抱えてる闇を取り払ってやりたいんだ」
私に…闇?闇なんて抱えてないと思うけど…
麻琴「なんでそこまでして私を闇から救い出そうとするの?」
私たち、赤の他人だよ?さっき会ったばかりのなんの関係も無い同士なのに…なんで?
綾斗「そんなの俺がお前を気に入ったからだよ」
………は?理由になってないし。しかもそんな理由で何処の馬の骨かも分からない人を姫にしていいものか…?