闇の中に咲くランの花 Ⅰ



綾斗「それでも俺は…お前じゃないとダメなんだ」


綾斗がそういったことで私の言葉は口から出ることなく消えた。


麻琴「なんでそこまで私にこだわるの?別にそこら辺の女でもいいじゃない」


綾斗「お前だけなんだよ。オレ達に媚らなかったやつは…」


麻琴「なんで綾斗達に媚び売らなきゃいけないの?媚びったって私にメリットないじゃん」


媚びる意味が分からない。そりゃ良いふうに見られたいとか気に入られたいとかあるから媚びるんだろうけど…私は目をつけられなきゃいいから。

まぁ…媚びなかったことで目をつけられることがあるなんて思わなかったけどね…。


蝗龍「「「………。」」」


奏「やっぱり違うね…」


何が?


綾斗「やっぱりおもしれぇ。蝗姫(オウヒ)になれ」


全く面白くないんだけど私は!

……どうしようかな……。お父さんからしたら、男嫌いを直して欲しいみたいだし…。私もこのままじゃダメなのかなって思わないことも無い…。

電話して聞いてみるか…


麻琴「ちょっと電話してきていい?」


綾斗「誰にだ?男か?」


麻琴「まぁ………男だけど…なんで?」


愁「綾斗のことは無視してください。」


綾斗「オイ、ふざけんな愁。」


愁「どうぞ電話してきてください。」


何だったんだろ?男嫌いのくせに男に電話するからなにか疑ってるのかな。


ガチャパタン

私は自分の部屋に入ってすぐ電話した



その相手は................



プルルル

プルルル

< 74 / 283 >

この作品をシェア

pagetop