闇の中に咲くランの花 Ⅰ
プツッ


?「もしもしー!1日に二回も電話してくるなんて!そんなに俺に会いたくなったのか!」


誰だかわかったな?


麻琴「100%無いから…」


?「即答しなくていいじゃんか…」


そう、お父さんだ…


麻琴「拗ねないでよ!話があるの」


智樹「なんだ?」


麻琴「蝗龍に姫になれって言われたんだけど……どうしたらいい?」


智樹「おぉ…そうか……。…うん…麻琴、お前は記憶を元に戻したいか?」


麻琴「えっ?うん………大事な事だと思うから思い出したい……」


智樹「それなら姫になれ…辛いかもしれねぇが思い出したいなら頑張れ」


驚いた。男嫌いを治すためにじゃなくて、記憶を戻すため…か。確かに記憶も戻したい。自分は誰なのか、今でも分からないから。


麻琴「分かった!辛いとかは分かんないけど蝗龍の姫になって記憶を戻す!」


智樹「あぁ、辛くなったらすぐに電話していいんだからな?」


麻琴「分かった!ありがとうね!」


相談して良かった。じゃなかったら答えなんて出なかったもん。


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