【完】好きだから【完】





「瑠璃〜っ!!なにサボってんねん!」


体育館に戻ると一番にそう言ったのは陸君。


「ごめんなさいっ!」


「部活中にラブコールとは羨ましいわぁっ!!」


「ちょっ!陸くんっ!どうし…て…」


知ってるの!?


恥ずかしい……


そう思って恭君を見ると…笑ってる。うん、笑ってる。


「陸君!恭君ね、さっきサボってたよ!」


「あっ、瑠璃。ちょっ!」


「恭っ!おまえはー!キャプテンの癖に!ワンマンやっ!コート入れ!」


「ちょっ、瑠璃ーっ!」


仕返しだもんね、助けてなんかあげない!


「私、紅茶用意してきます!」


「逃げるな!」


コートには恭君の叫び声が響いてた。
私は聞いてないフリをして…紅茶を取りに行った…


たまには恭君にも、ワンマン必要だもん。




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