【完】好きだから【完】



「瑠璃…」


私が話し終わると…
陸君は静かに話し出した。


「木崎先輩は黒やで。」


黒?


「俺と恭平、よく木崎先輩が早苗さんって人と一緒におるの見ててん。」


「うそ…」


「…ごめんな。言わんくて。」


どうして言ってくれなかったのか…責める権利なんてない。だって…二人とも私のためを思って…そうしたんでしょ?


「恭平がな、瑠璃が泣いてるのは、もう見たくないって…瑠璃は笑顔が一番やからって。瑠璃の笑顔のためやったら俺はなんでもするって…なぁ。」


「…………」


「ポエマーか!って思うやろ?でもな…あいつは本気で言ってんねん。」


笑顔って…
私の笑顔のためなら…


恭君の馬鹿。



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