【完】好きだから【完】
「恭君!」
いつの間にいたんだろ?
「ぼーっとして…大丈夫?」
「大丈夫…暑さにやられただけ?」
「俺に聞かれてもわかんねぇよ!」
はは、って笑いながら頭をくしゃくしゃに撫でる恭君…
先輩と別れてから…恭君は私に構ってくれる。
たぶん心配からだけど…それが、すごく心地いい…
だけど…
「恭先輩。」
「あ…弥生ちゃん。」
「………練習ですよ。」
「あぁ…だな。」
そう言ってコートに戻る恭君。
「……………」
ジッと私を睨んで…部室に入っていく弥生ちゃん…
はい…私、弥生ちゃんに嫌われてます。