【完】好きだから【完】
「俺…そんな上手くないですし、それに今まで遊びでやってたんで。部活に入ったからって本気でやれないと思うんすよ。」
「………恭平」
“真剣にやってる人の横で…俺みたいな気持ちの奴がいたらいけないと思うんです。”
「……………」
そう、言った俺の言葉に…健吾先輩は黙った。
「…なぁ。恭平。今から練習始めるから…やってみねぇか?」
「え……」
「やってみねぇとわかんねぇだろ?!」
「6時までなら。」
「よし、ほらっ!」
そう、投げられたのは体操服…
「俺の体操服。あっち…部室だから。陸と着替えて来い。」
「…………」
絶対にたくらんでた。
絶対に…!
俺に体験させて入れさせる気だ…
でも断るのも悪いと思ったから…俺はおとなしく体操服に着替えた。
「楽しみやな。健吾君とバレーすんの久々やから!」
陸は嬉しそうに笑った…
こんな楽しそうにバレーしてる奴に対して俺って失礼じゃね…?
その気持ち…健吾先輩に伝わらなかった?