【完】好きだから【完】
「あとね、早苗ちゃんが…倒れた時は大変だったのよ!」
今まで、私の知ってる人ばかりの話をしていた友里さんの口から出てきた知らない名前。
早苗ちゃん?
「あの…早苗ちゃんって、どなたですか?」
「っ!!あっ、ごめんなさい。早苗ちゃんは…瑠璃ちゃんよりもっと上だったわね…」
友里さんは、歯切れ悪くそう言った…
「…………」
「って!もうこんな時間ね。」
「あっ!本当だ!長い時間すみませんでした。ありがとうございましたっ!!」
「また来てね!」
「はいっ!!」
たくさんの話を聞いて私は家に帰った。
いつもより遅い帰宅。
そんな中、私の頭の中は…“早苗さん”という名前でいっぱいだった…。