【完】好きだから【完】



「誤魔化すなよ…分かってんだろ?俺が瑠璃を本当に好きだって!」


「っ………」


そんな事言われても……


わかんない…


「今は、いっぱいいっぱいすぎて………わかんないよ…でも、私は木崎先輩が好きだから。」


「…ははっ。」


「ちょっ、どうして笑うの?!」


「やっぱり瑠璃だなって。瑠璃…俺、瑠璃のそぅゆう所好きだから。俺だって瑠璃と一緒で諦めらんねぇの。」


「………」


「だから…」


「?」


「俺を意識して?」


「…………」


意識して?


って言われても。でも………


「ん………」


「意識はしてほしいけど…気まずくなんのは禁止な!?俺は瑠璃と今までの関係でいたいから…」


「それは私もっ!!」


「良かった…じゃぁ、帰ろ!」



そぅ言って恭君は私の手を握って歩き出した。


それから家に帰るまでお互い一言も話さなかった。
ただ雪だけが静かに降ってた。


高校二年のクリスマス…


私は失恋した。


寒い寒い…雪の降る夜に。




< 85 / 255 >

この作品をシェア

pagetop