潮風とともに
私の言葉に覆い被さっていた波瑠が体を退かせたのをみて、私はベッドの上に座った。
波瑠も、私の前に座ってくれて両手を握ってくれた。
「瑠碧、どうした?」
波瑠を見ると、瞳が揺れているのが分かって
不安になっているのが伝わってきた。
私は大丈夫という気持ちをこめて手を強く握った。
深く深呼吸をしてから、波瑠の目をみて話始めた。
「波瑠、私ね、波瑠を愛してる。この気持ちに嘘はないし、これから先、波瑠以上に心が惹かれる事なんてないと思えるくらいに、波瑠に溺れてる。
それだけは心に留めていてほしい……」
分かったと言って、また強く握ってくれた。
「私ね、短大に入学してすぐから、この間まで7年付き合ってた彼がいたの。
同じ短大で、美穂の従兄弟なんだけど。。
7年間とくに大きな事なんてなくて、そのまま月日が流れたようなかんじで。半年前にね、プロポーズされて。
一ヶ月ちょっと前に、相手の親から言われて結納も交わしてた。。。」
不安で波瑠の顔が見れない。
嫌がられるかもしれない。
他の男とつい先日まで付き合ってたような女なんて。。。
嫌われたくない。
でも話さないと、隠していても、いつか波瑠の耳にも入るときがくるかもしれない。