潮風とともに
次の打合せまでに招待状を送付する招待客のピックアップをお願いして、
ペーパーアイテムのパンフレットを渡してどのようにしたいのかを、考えてきてもらえるようにお願いした。
すると、恥ずかしそうに新婦様がバッグの中からファイルを取り出した。
「あの、重田さん。ペーパーアイテム、もう考えてきていて……」
ポッと顔を赤らめた新婦様に私はニコリと微笑んで頷いた。
「浦田様、ありがとうございます。披露宴って、女性にはある程度の憧れってありますよね?」
私はフフっと笑うとファイルを受け取り、中を見た。
「重田さんにもやっぱり理想の披露宴ってあるんですか?」
新郎様に聞かれて、返答に困ってしまったけれど、
私は波瑠の顔を思い浮かべて、うなずいた。
「重田さんは素敵な方だから、お相手の方も素敵なひとなんでしょうね?」
新婦様に言われて私は思わず顔を赤くした。
そんな私の様子をみて浦田様はフフっと微笑んだ。
「新婦様、たくさんやってみたいことがあると思うんです。出来る限りのご協力をさせていただきたいので、どんどん言ってくださいね?」
「はいっ!よろしくお願いします。
早速なんですけど、そのファイルに招待客リストも挟んであるんです。
人数はだいたい80人くらいです。大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。100人まで入れる会場なっておりますので。」