潮風とともに
最後まで流れを確認して特に変更点もなく、
後は新婦の余興、プロフィールVTRの完成を待って確認。
頭の中で考えていく。
「それでは披露宴の前日までに当日使うリングピロー、ウェルカムボード、お子さまへのプレゼントなどを、持ってきてください。席札とメニュー表、席次表はこちらで内容に間違いがないかを確認しておきます。」
私がそう伝えると、御二人が頷いてくれる。
「だんだん、緊張してきますね、、、」
新郎様が苦笑いで頭をかくと、
「緊張もするけど、ワクワクする。本当無理なことばかり言ったのに、重田さん、ありがとうございます。
当日もよろしくお願いします。」
私はその言葉が嬉しくて微笑んだ。
新郎様がお手洗いに立たれた瞬間、新婦様にお声をかける。
「新婦様、サプライズのことですが……
練習は進んでますか??」
そう。新婦様は幼い頃から高校生までピアノを習っていたらしく、披露宴で新郎様にお二人の思い出の曲をサプライズで弾き語りをすることになっている。
「練習は大丈夫です。。。この最後の余興の後ですよね?」
「そうです。最後の余興が終わってご両親へのお手紙に移ると思わせて、新婦様にはピアノへ進んでいただきます。介添人がその様にピアノまで案内しますので、ご安心ください。楽譜などもこちらでギリギリにピアノに置くようにしますので。」
「わかりました。できますかね。喜んでくれるといいんですけど……」
不安げな表情の新婦様に、私は微笑みかけた。