潮風とともに





ふーっ。


深呼吸をして、パソコン仕事で疲れた肩を解すように肩を動かす。


定時になり、今日しなければならないことは全て終えた事を確認してから、パソコンの電源を落とした。


「瑠碧、もういける?」


彩花さんが部長デスクから顔を覗かせながら大声できいてくる。


「はい、もう大丈夫です。」

私が答えると、了解!と言って彩花さんも帰る準備を始めた。







会社近くの居酒屋に三人で入り、ビールを注文した。



「それじゃあ、今日もお疲れ様!」

彩花さんの声にグラスを合わせた。


「彩花さん、万里江のことで、本当にすみませんでした。」

私がグラスを起きながら言うと、


「瑠碧はもう気にしないことよ。あとは上がどう判断するか。まぁ、もう、ここにはいられないだろうね。」


彩花さんが冷たい表情でいう。


「結婚式のプランニング会社に勤めておきながら、やっていいことではなかったよね。」

美香さんも同じような表情。
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