潮風とともに
「だからさ、この話はお仕舞い!それより、瑠碧!!
その指輪よ!連休前は着けてなかったでしょう。前の彼のってことはありえないし。」
私は剛からもらった婚約指輪をあまりしていなかったからか、目敏くみつかってしまった。
「しかも、左じゃなくて右。いつのまに彼ができたのよ!男避けってことはないだろうし、、、
あぁ、営業や他の課の男が泣くわね。」
美香さんが意地悪な顔をしてこちらを見た。
いや、私が指輪をしていたくらいで誰もなかないよ、、、
「さぁ、話してよね?」
彩花さんの顔をみて、逃げられないと覚悟を決めた。
「沖縄で宿泊したホテルの従業員なんですけど、初日に一目惚れしちゃって、、、
もう、心が持っていかれるってこう言うことかって実感するくらい惹かれたんです。
彼も同じだったみたいで……付き合うようになったんです。来月の連休申請も、彼がこっちに来てくれるからなんです。」
私は恥ずかしくて無駄にお箸を動かしたり、おしぼりでテーブルを拭いたりしながら話していた。
「へぇーあの確認確認で真面目な瑠碧が一目惚れねぇ。
余程いい男なんでしょう?」
美香さんが写真見せて?と綺麗な顔で言うと、手を差し出してきた。
はぁぁぁぁ。
私はため息をつくと、
スマホに入っている波瑠との写真を見せた。