潮風とともに
私は考えていたことを話していく。
それを弘人さんはパソコンに打ち込んでくれているようだ。
「ありがとう。来月までにプランも考えてみてくれない?それをメールで送ってほしい。
仕事もしてるのに、申し訳ないんだけど……」
あと半月しかないけど、何とかなる。
これが通れば、波瑠の元へいけるんだと思うと何も苦にはならない。
「わかりました。来月までにいくつか考えてみます。」
「良かった。じゃあ、またなにか思い付いたりしたら連絡くれる?俺も聞きたいことがあれば連絡するから。
じゃあ、朝からありがとう。仕事、頑張ってね?
あ、波瑠!ちょっと待ってね?」
弘人さんの近くに波瑠がいるようで、
弘人さんの声が遠くなった。
「もしもし瑠碧?朝からありがとね。
仕事、10時からだよね?気を付けてな。」
「うん。また声が聞けてうれしい。
ねえ波瑠、アダンのブライダル部門が確実になったら、波瑠も嬉しい?」
「当たり前だろう。俺が弘人に言ったんだから。」
えっ、そうなの……
「あぁ。元々は弘人が言い出したけど、瑠碧を引き抜いてほしいって俺が言った。
そしたら、俺はお前を迎えにすぐにでも行けるからな。」
っふっと波瑠が笑ったのが分かった。
……波瑠。。。
嬉しい。嬉しすぎて、幸せで怖いくらいだよ。