潮風とともに


チャペルに向かうと、フローリストの皆さんが綺麗に飾ってくれていた。


フローリストで同期の相田に声をかける。


「相田、時間間に合いそう?」


「あぁ、大丈夫。余裕だよ。ブーケとブートニアは二つとも控え室にいたスタイリストに渡しておいたから。
新婦の確認済み。」


「ありがとう。たすかるよ。それにしても、このひまわり綺麗。」


私は近くにあったひまわりの花にそっと触れた


「今の季節やっぱりひまわりが映えるよな。
そういえば、重田、この間沖縄行ったんだって??
俺、実家あっちだから言ってくれればよかったのに。
上手い店紹介してやったぞ。」


そういえば、新人研修の時にそんな事言ってたっけ。


「そーだったね。言えばよかったー。けど、彼が色々連れてってくれたから大丈夫よ。ありがと。」



「あ?そっか。お前、あの長かった彼氏と別れて、新しい彼氏ができたんだったな。」


そう、ニヤリと言う相田に、
何でそこまで知ってるんだ……とビックリした。


それが伝わったのか、

「おまえ、もう全員知ってるだろ。わが社の花なんだから」

前から思ってたけど花ってなんだ……


そんな良いものじゃないけどな。。。


私は苦笑いで返す。




< 145 / 236 >

この作品をシェア

pagetop