潮風とともに
チャペルに向かうと、フローリストの皆さんが綺麗に飾ってくれていた。
フローリストで同期の相田に声をかける。
「相田、時間間に合いそう?」
「あぁ、大丈夫。余裕だよ。ブーケとブートニアは二つとも控え室にいたスタイリストに渡しておいたから。
新婦の確認済み。」
「ありがとう。たすかるよ。それにしても、このひまわり綺麗。」
私は近くにあったひまわりの花にそっと触れた
「今の季節やっぱりひまわりが映えるよな。
そういえば、重田、この間沖縄行ったんだって??
俺、実家あっちだから言ってくれればよかったのに。
上手い店紹介してやったぞ。」
そういえば、新人研修の時にそんな事言ってたっけ。
「そーだったね。言えばよかったー。けど、彼が色々連れてってくれたから大丈夫よ。ありがと。」
「あ?そっか。お前、あの長かった彼氏と別れて、新しい彼氏ができたんだったな。」
そう、ニヤリと言う相田に、
何でそこまで知ってるんだ……とビックリした。
それが伝わったのか、
「おまえ、もう全員知ってるだろ。わが社の花なんだから」
前から思ってたけど花ってなんだ……
そんな良いものじゃないけどな。。。
私は苦笑いで返す。