潮風とともに
昼過ぎから飲み始めて、今はもう20時を回っている。
波瑠がお母さんに少し出てくると伝えてから、
二人で家を出た。
波瑠の実家からホテルアダンまでは車で15分
波瑠に連れられて、初めて二人で過ごしたビーチに来た。
波の音を聞きながら、二人で手を繋いで砂浜に座った
「瑠碧、ビックリしただろ。急にあんなお祭り騒ぎになって……」
「うん、ビックリしたけど、お母さんがね、これがこっちの普通だからって。お母さんも嫁いできた時にビックリしたって言ってたの。」
私はさっきのお母さんとのやり取りを思い出して言った。
「みんな呑むのが好きなのもあるけど、瑠碧が嫁に来てくれるって本決まりになって嬉しいんだ。
本当にありがとう、、、」
波瑠は繋いでいた手を強く握ってから立ち上がった。
私はビックリして見上げると、
波瑠に手をさしのべられて、その手を掴んだ。
波瑠に引っ張られるようにして立ち上がると、波瑠が私の両手を握って、おでこをコツンとくっつけた。
「瑠碧、こんなにトントン拍子で来て、戸惑いもあると思う。それに、住んだこともない知らない土地に引っ越してくることにも不安があると思う。
でも、俺が一生傍にいるって誓う。」
波瑠の手が震えているのが伝わってきて、
私にまで伝染する。
「俺の一生かけて瑠碧を守り抜く。
だから、俺のお嫁さんになってくださいっ。」