潮風とともに

わたしが勢いよく一気に捲し立てるように言うと、みんながポカーンとこちらを見て、一気に笑いだした。


こまって波瑠を見ると、耳まで赤くして顔を手で覆っていた。


「そりゃ、よかった!波瑠、よかったなぁー!
さぁ、もういけっ!」


社長に言われて、顔を隠していた波瑠が私の手を掴むとそのまま玄関へと向かった。


私の発言で更に盛り上がってしまった宴会は夜中まで続くんだろうな……



実家を出て車に乗り込むと、波瑠は私の手を握ったまま無言で車を走らせた



……怒った???


みんなの前で私があんなことを言ったから……



どうしよう。



嫌われちゃったのかな。



私は不安になって、繋がれていない方の手を握りしめて膝の上に置いた。




車が寮の駐車場に止まると、手が離されて、波瑠が車から降りたのを見て、私も車ら降りた。


助手席側に回ってきた無表情の波瑠にまた手を捕まれて、どんどん寮の中へと進んでいく。


まだ21時を回ったところだからか、ちらほらと従業員とすれ違う時にみんながビックリして振り替える。


たぶんそれくらい波瑠の顔が怖いのかもしれない。



私、何したんだろう。


何が波瑠の気に障ったんだろう。


波瑠はあまり口数が少ないから分からない。



部屋に入ったら謝らなくちゃ……



入籍がなしになったらどうしよう。。。



そう思うと悲しくて、苦しくて涙が溢れてくる。


回りにそれを見られたくなくて俯いて手の甲で涙を拭いながら、引かれるまま歩いた
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