潮風とともに


役所を出て、また車でホテルに戻ってきた。
向かう場所はあのビーチ。


車を降りて二人で手を繋いで歩く。




「波瑠、私、すごく幸せ。」


私は波瑠を見上げて微笑んだ。
波瑠も優しく見つめ返してくれて、手の甲で頬を撫でる。


「俺も、すごく幸せだよ。」



「ねぇ、波瑠。私たちは出会って2ヶ月で入籍して、今日から夫婦になったよね。。。
私、これから先どんなことがあっても、波瑠に着いていく。私の人生が終わるその日まであなたと共に生きていく。

それに、これから先ケンカすることもあると思う。その時は逃げずに膝付き合わせて納得いくまで話し合おうね。私たちは知らないことばかりだから……。」


私は波瑠の両手を握って、目を見つめると、
波瑠は真剣な顔で頷いた。


「あぁ。俺は何もかもが瑠碧が初めてだから、ケンカしたときにどうしていいのかも分からないし、
瑠碧の気持ちを上手く汲み取れないことも多くあると思う。そのたびに、話し合って分かりあえたらいいと思うんだ。

俺は知ってのとおり、無口で無器用だから、、、
瑠碧にはヤキモキさせることもあるかもしれないけど、
これこらは夫婦だから、支えあっていこうな。

俺の嫁さん。。。」



波瑠が私を甘い瞳で見つめる。


その表情がすごく、かっこよくて思わずぽーっと見つめてしまう。


「瑠碧、愛してる。」


そう言うと、波瑠の顔が少しずつ近づいてきて、甘くて蕩けるようなキスをくれた。
< 190 / 236 >

この作品をシェア

pagetop