潮風とともに


「そんな可愛いかおしてたら、今日の夜も知らないからな?」 

波瑠が意地悪に笑って私の鼻を摘まんだ。


「っ!そんな顔してないよ!」


もうっ、昨日だってすごかったのに……



波瑠ほ本当にタフだから、こっちの身がもたないよ!!



「さ、母さんがまた昼食用意してるらしいから食べにいくか!」


波瑠が砂を払いながら立ち上がり、私に手を差しのべてくれた。




「ありがと。」

私がその差しのべられた手を握って立ち上がると、二人でまた、車に乗り込み実家へと向かった。





実家に着くと、誰かお客さんが来ているようで
みきちゃんの明るくて楽しそうな声が漏れ聞こえてくる。


「?ただいまー。」


波瑠が不思議そうにしながら声をかけてから中にはいると今の方からバタバタとした足音が聞こえてくる。



「波瑠っっっっ!!!!」


走ってきた彼女は急に波瑠に抱きついた。


っっっ!!!????


誰……?



「……あかり、離れろ。こっちに来てたのか。」




あかりと呼ばれたその彼女は波瑠から振り払われても尚も腕に絡み付いて、その身体を押し付けている。


波瑠は不機嫌な顔で払い続けているけど、全然めげてない。



「うん、だってミキから波瑠が結婚するって聴いて!!
慌てて阻止しようと仕事休んでまで来たんだから!!」





は????
阻止するために来たって言った???

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