潮風とともに


私が難しい顔をしたのに気がついたのか、波瑠が慌てたようにあかりさんの身体を突き放した。



「ん?この人が波瑠の彼女?」 


そう言って上から下まで舐めまわすように見下してくる


その態度にカチンときてしまう。


「初めまして。瑠碧です。」


私はあかりさんににっこりと笑って挨拶をした。



あかりさんはチラッとこちらを見て、鼻で笑うと、
また波瑠にすり寄った。



「ねぇ、波瑠、今日はもぐらないの???私休んで来たんだから遊びに連れてってよ!ねぇ、お願い!」


この甘えたかんじが、万里江と被って心に黒い靄がかかる。



「行くわけねぇだろ。ミキに悟の所につれて行ってもらえ。」


波瑠はそう冷たく言うと、私の腰に腕を回して、「いこ。」と一言言うと歩きだした。


「っ!ちょっとぉぉ!波瑠っ!もう!!!」



近くで見ていたミキちゃんがあかりさんを呆れた顔をして見ていた。


「瑠碧ちゃんおかえり。お昼できてるよー
お父さんもお母さんも待ってる!

あかり、とりあえず実家に一度帰りなよ。海には私が連れてってあげるからさ。」

そう言ってあかりさんの肩をポンポンと叩いた。



「もう、ミキまで!!!私の味方をして協力してよーー!」


ミキちゃんが居間に入ってくると、あかりさんまで入ってきて、それをみきちゃんが呆れたように見た。



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