潮風とともに
「ただいまー。」
「ただいま帰りました、」
私たちがお父さんとお母さんに声をかける
「おかえりなさい。
もう、出せたの?」
お母さんがテーブルにお昼ご飯のちらし寿司を並べながら私をみて聞いた。
「はい、無事に。私、島のことも赤嶺家のことも何もかも分からないので、ご指導おねがいします。
不束者ですが、どうぞよろしくお願いします。」
私が座って二人に挨拶をすると、お母さんがフフっと笑った。
「大丈夫よ。私も昨日話したけど神戸からここへ来たの。見るもの聞くもの全てが初めてだったけど、慣れたらなんてことないわ!これからもよろしくね?」
お母さんが優しく言うので、私は嬉しくて微笑み返した。
「瑠碧ちゃん、波瑠をよろしく頼むね。父さんもね、母さんが神戸から観光客としてこっちにきたときに出会って、嫁に来てもらったんだよ。
慣れないことに大変な思いもしていたけど、、、
もし、瑠碧ちゃんが困ったことがあれば、島の暮らしがキツいことがあれば波瑠に言いなさい。
夫婦なんだから、支え会うんだよ。」
お父さんが私と波瑠を交互に見て言うと、波瑠が真剣か顔をしてうなずく。
「っっちょっと待って!夫婦ってなに!!!!
ミキっ、波瑠が結婚するとは言ってたけど、結婚したとは言ってなかったじゃない!
波瑠っ!どういうことよっっっ!!!」
あかりさんが、波瑠に掴みかかりながらヒステリックに叫ぶ。
「どうゆうことも何もねぇだろ。
俺は瑠碧を愛してる。一生一緒に生きていくって決めたから嫁に貰ったんだよ。さっき役所に婚姻届を出して夫婦になったんだ」
波瑠はハッキリとあかりさんの目を見て言うが、
あかりさんは顔を赤くして、怒りに震えている。